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第339話 命をかけるつもりか?

「どうする?明日の朝、私たちは送られちゃうんだ……もう家族には会えなくなるのかな」

「ううう、死にたくないよ!誰か助けてくれないかな!」

「……」

そう言って、泣き声が聞こえてきた。

三井鈴はその様子を見て、目を細め、心が締め付けられるような思いをした。今の文明社会で、こんな暗いことが起こるなんて思いもしなかった。

彼女は泣き声の方に視線を向けた。

しかし、次の瞬間、極めて冷静な目と目が合った。その目は、この悲しい雰囲気とは対照的だった。

女の子は見た感じ17、8歳ぐらいなのに、大人のような冷静さと賢さを持っていた。

彼女は無表情で、目は三井鈴をじっと見つめていて、まるで彼女を見透かそうとしているかのようだった。

二人はしばらく黙っていた。

その緊張が続いて、やっと女の子が口を開いた。「本当に私たちを救ってくれるの?」

三井鈴はしっかりと答えた。「信じて、絶対に救うから」

この言葉は、女の子にとって救いのような希望を与えた。でも次の瞬間、女の子は三井鈴がぐるぐるに縛られているのを見てしまった。

その希望は一瞬で消え去った。

三井鈴は目を下に向け、縛られているロープを見つめ、口元に皮肉な笑みを浮かべた。

こんな縛り方、レベルが低すぎる。

その後、三井鈴は手を動かし、すぐにロープを解いた。

彼女の動きは滑らかで、全く無駄がなく、見ていた人々はみんな呆然としていた。

「まさか……解いちゃったの!?」

「すごい、あなたは本当にすごい!」

三井鈴は急いでみんなに静かにするようにジェスチャーした。「しゃべっちゃダメだよ!」

みんなは分かり合い、目の中に希望の光が浮かんできた。さっきまで泣いていた女性も顔の涙を拭った。

三井鈴は何も言わず、前に進み、次々に彼女たちのロープを解いていった。しばらくすると、みんなが自由になった。

そして、さっきまで冷静だった女の子は、今や三井鈴を見つめる目に崇拝の色を浮かべていた。「お姉ちゃん、私は竹内梨花。外に出たら、絶対にお礼を言うからね」

三井鈴は微笑みながら、彼女の言葉を気にせず、手を伸ばして彼女の頭を撫でた。「安心して!梨花、必ず外に出られるから」

梨花はしっかりと頷いた。

三井鈴はみんなを集めて、小声で自分の計画を話した。

その時の彼女はまさにリーダーのようで、周りの誰も彼女に疑問を持
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